Feynman QED First Lecture

問題の解答が, 問題 9-10 で足踏みしている.それは次の問題 9-11 を再検討しているからである.再度この問題に挑戦するために, Feynman の「Quantum Electrodynamics」[1]本書は, 1953年にカリフォルニア工科大学で R.Feynman が行った量子力学の3学期コースの3回目講義を A.Hibbs が書き留めて H.Yura と R.Huggins … Continue reading を読んで, もっと量子電気力学について理解したいと思った.これから, この本の和訳を講義ごとに示して行こうと思う.ただし「Quantum Mechanics and Path Integrals」と同様に, この「Quantum Electrodynamics」にも式には多くの誤りがあるようなので, 分かる範囲でそれらを修正して書いて行こう.

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光と物質の相互作用—量子電磁力学

\(\textit{First Lecture}\)

光と物質との相互作用の理論は「量子電気力学」(quantum electrodynamics) と呼ばれている.このテーマは非常に多くの等価な方法で定式化できるため, 実際よりも難しく見える.最も簡単なのはフェルミの方法 [2] Revs. Modern Phys., \(\mathbf{4}\), 87 (1932). である.ここでは光子の放出と吸収を仮定することで, 別の出発点に立つことにする.この形式が最もすぐに適用できる.

フェルミの方法について(Discussion of Fermi’s method)

宇宙のすべての原子が箱の中に入っているとする.古典的にはこの箱は調和振動子の分布で記述できる自然モードを持ち, 振動子と物質が結合しているものとして扱われることがある.
量子電気力学への移行は「振動子が古典的でなく量子力学的である」と仮定するだけである.その場合, 振動子のエネルギーは \(\displaystyle \left(n+\frac{1}{2}\right)\hbar\omega\), \(n=0,1,\dotsb\) となり, ゼロ点エネルギーは \(\displaystyle \frac{1}{2}\hbar\omega\) となる.箱の中はエネルギーが \(n\hbar\omega\) に分布する光子で満たされていると考える.光子が物質と相互作用することで \(n\) 型の光子の数は\(\pm1\) 個増加する (放出または吸収).
箱の中の波は平面定在波, 球面波, 平面進行波 \(\exp(i\mathbf{K}\cdot\mathbf{x})\) として表すことが出来る.すべての電荷+横波のみの間に「瞬間的」なクーロン相互作用 \(\displaystyle \frac{e^{2}}{r_{ij}}\) が存在すると言える.そうすると, クーロン力は直接シュレディンガー方程式に入れることが出来る.その他の形式的な表現方法としては, ハミルトン形式のマクスウェル方程式, 場の作用素などがある.
フェルミの手法では自己エネルギー項 \(\displaystyle \frac{e^{2}}{r_{ij}}\) が無限大になる.この項を適当な座標系で除去することは可能だが, その場合横波は無限大に寄与する (解釈はより不明瞭になる).この異常(anomaly) は現代の量子電気力学の中心的な問題の1つであった.

References

References
1 本書は, 1953年にカリフォルニア工科大学で R.Feynman が行った量子力学の3学期コースの3回目講義を A.Hibbs が書き留めて H.Yura と R.Huggins がそれを編集・校正したものである.
2 Revs. Modern Phys., \(\mathbf{4}\), 87 (1932).