物理一般

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Bethe の「Lamb シフト」の論じ方

前の「自己エネルギー」に関連して「Lambシフト」の解説がJ.J.Sakuraiに書かれているので,それを引き続き記事として示しておく.Dirac理論によると,水素原子の\(2S_{1/2}\)準位と\(2P_{1/2}\)準位は縮退してい...
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束縛電子の自己エネルギー

ファインマンの第6講の最後には「自己エネルギー」の記述があるが,そこの式(1.6.12)の導出などは書かれていない.より詳しい議論がJ.J.Sakuraiの§2-8にあったので,それを書いておこう.自己エネルギー問題(Self-energy...
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Rayleigh 散乱 ( 光子-原子弾性散乱 )

ファインマンの第6講に出現した「Kramers-Heisenberg公式」について,J.J.Sakurai;「AdvancedQuantumMechanics」§2.5ではその公式を適用出来る例としてRayleigh散乱を説明しているので,...
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Planckの輻射則

ファインマンの第6講では,プランクの黒体放射分布則の導出が述べられている.これを理解するために,J.J.Sakurai;「AdvancedQuantumMechanics」§2.4の「Planckの輻射則」の記述を抜粋しておく.Planck...
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Boson系波動関数の規格化が違っている?

\(N\)個の同じBose粒子からなる系について,その波動関数の表し方が教科書によって異なっていて紛らわしく感じたので報告しておく.まず,砂川重信:「量子力学」第6章§1の記述から紹介する.量子力学的体系が,例えば電子のような同種粒子から構...
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量子力学的なゲージ変換

R.Feynman:「QuantumElectrodynamics」のp.6に次のような記述がある:量子力学的なゲージ変換は古典的なゲージ変換を単純に拡張したものであるファインマン原書のこの章にはだいぶ間違った式が見受けられる.ここの\(\...
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電磁場中の荷電粒子の相対論的なラグランジアン

「はてなブログ」の方にずっと前に書いた記事で間違った記述をしてしまった!.そこで間違いを修正し,改めてこちらに書いておく.厳密なラグランジアンは相対論的な議論が必要である.そこでランダウ=リフシッツ:「力学・場の理論」§43からの抜粋により...
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Pauli 方程式

LandauandLifshitz:QuantumElectrodynamics§33にパウリ方程式が載っていたのでその訳文を書いておく.しかし,その導出過程で出現する式(33.5-a)が最初に見たらちょっと不可解に思えた.その解決を付記し...
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場の理論でのS行列

「\(S\)-行列は漸近場(Asymptoticfield)という概念を用いると,もっとエレガントに定式化できる」(日置)ということなので,C.Itzykson,J-B.Zuber著:「QuantumFieldTheory」の§5-1の前半...
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S-行列要素と遷移振幅との関係 part II

場の量子論に於ける\(S\)-行列の議論の例として,F.Mandl,G.Shaw著「QuantumFieldTheory」の§6.2を翻訳したものを示す.◎このブログ記事をPDF化したものは次のリンクをクリックすることで見ることが出来る.ま...
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S-行列要素と遷移振幅との関係 part I

ランダウ=リシッツ:「量子力学」の§103に次のような文章があった: 最終値\(\Phi(+\infty)\)と始めの値\(\Phi(-\infty)\)を結び付ける「散乱演算子」\(\hat{S}\)の定義:\(\Phi(+\infty)...
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原子からの輻射遷移

「原子からの放射遷移」の議論として,FranzMandl/GrahamShaw:「QuantumFieldTheory」§1.4の文章に補足と修正を加えた(単位系を,本文に合うようにrationalizedLorentz-Heaviside...