
Problem 9-7
Show, for the vacuum state, the mean value of is . Develop a formula for the mean of for integral and explain thereby how the mean of such quantities as can be got for . Show that the mean of or vanishes. Show that the mean of the product of any odd number of ’s is zero and that you can compute the expectation value of any product of ’s or ’s for the vacuum state.
( 解答 ) 問題 8-5 より, 真空状態即ち基底状態 に於ける の期待値は, 式( 8.85)で 与えられることを確認した:
またこの場合の「
基準座標 は を考える」のであった.よって, 基底状態 を式 (9-43) の規格化された波動関数とすれば, の平均値すなわち期待値は次となる ( に注意する):
次以降の課題に対しては, 基準座標 の表記による一般化した議論を行うことにする.その際に, 複素座標 を用いる場合には であるから, それを式 (8-79) のようにそれを2つの実数座標 で表わし, それらを 個の基準座標とすればよいことに注意する.
問題 8-5 での議論から, と を一緒にしたものを 個の基準座標 とするならば, 基底状態 はそれらの基準座標 の実関数 の 個の積で表わすことが出来た.そして基底状態 及び は次で与えられた:
この場合の または は, 問題 8-5の 式 (3) と2項定理から,
従って の場合 (ただし ), 式 (5) は
である.従って,
この式中の積分を 及び とする:
まず, 積分 はファインマン=ヒッブスの巻末にある次の公式
を利用して計算できる:
また積分 については, 式 (8) を部分積分することで, 次の公式が得られることに注意する.ただし の場合には, 明らかに とすべきことに注意する:
ただし, は次を表わす (岩波:数学公式に用いられている記号に従った):
積分 は, この結果を利用することで計算できる.
結果は が偶数の場合のみ次となる:
ただし, この場合にも が奇数の項はやはりゼロになることに注意するならば, これは次のように書き直すことが出来る:
すると, 式 (9) と (12) 及び問題 8-5 の結果式 (14) から, 式 (7) は が偶数の場合には次式になる:
が奇数の場合には, 式 (7) はゼロとなることは明らかである.
次に の場合を考えると, 式 (5) は次となる:
この場合どちらの 積分も, 式 (10) で が偶数の場合の積分となる.上の場合と同様な手順によって, 結果は次となる.ただし のときは, 式 (10) の の場合に相当するから とすることに注意する:
以上の結果について, 式 (1) に相当する を検討して見よう. の場合は, 式 (14) で の場合であるからゼロである. の場合は, 式 (16) に於いて の場合であり, 確かに結果が式 (1) の結果と一致することが分かる:
今度は, の場合を考えると, 式 (5) は次となる:
さらに または の場合であるが, これは既に問題 8-5 で示してあるようにゼロである:
さらに今度は, 任意の奇数個の または の積の平均値を考える. を奇数としたときの または は 2項定理から次に表せる:
すると または の両者を略して で表わすなら, その平均値は次となる:
このとき が奇数であったから, 任意の について か の何れかは必ず奇数となる.従って最後の2積分 は, 両者のどちらかが式 (10) の が奇数の場合となるのでゼロとなることが分かる.よって, この式全体は必ずゼロとなると言える:
最後に と の任意の積の期待値を考えよう.式 (19) を用いるならば, を任意の整数としたときの は,
と表せる.これは式 (6) に於いて の冪指数を から に変えたものに過ぎない.従って, この平均値は結果式 (14) を参照することで次に書けるであろう:
以上の結果をこの問題の解答とするには, 基準座標 などを全て などで置き換えるだけである.