問題 9-10 にも関係する式 (9-71) は, どのようにして得られたのであろうか?. 自分で納得できるような導出は行えなかった. 以下に示すのは, 本文の指示に従って「無理にこじつける」ことで得た導出である.
まずは, 式 (9-71) の前書き (前ブログの問題文に示した) を翻訳すると,
エネルギー補正 電磁気学的エネルギーの補正
を検討するために, 「物質系は移動電荷を1つだけ持つ」という最も単純な場合(例えば, 無限に重い原子核を持つ水素原子や, 空っぽの空間にある自由電子)を考えることにし, その座標を とする.従って,
この場合に を含むことになり, そして 2次の項を考えるには, 7-3節で述べたように, 適切な注意が必要である.すなわち速度二乗項 からの付加項が に追加されるのである.7-5節のように を運動量演算子 で表わすと, 次の式が得られる:
この前書きから, 7-3節の議論を用いるべきであると推量される.最も関係する式は次の式 (7-54) 及び式 (7-99) であろう:
『運動量の2乗
この表現式
この場合に上記のことを用いるとするならば, あまり納得しないけれども,
従って,
そして式 (9-69) に於いて
この右辺第2項は, 式 (3) を当てはめることで次のように書ける:
この式 (5) を元の式 (4) に代入する.第1項目は和
ここで, 式 (9-69) に於ける光子の放射と吸収の過程は「実光子(actual photon)」の放射や吸収とは異なったもので, 一般にエネルギー保存を満たさないことに注意する.そのような光子は「仮想光子(virtual photon) 」と呼ばれる.
『エネルギー保存の制約から離れて, あらゆる可能な運動量と偏極を持つ「仮想光子」を放射したり吸収したりすることに付随する相互作用エネルギーが, エネルギーシフトの実部
従って, 式 (6) の最後の項中の量
これを式 (6) の第2項に用いるならば,
従って, エネルギーシフトの実部
References
↑1 | ここの文章は意味が理解できない.少しおかしいように思われた.式 (7-99) の右辺は |
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