問題 7-7 の解答例

Feynman-Hibbs cover

Problem 7-7
Show that for any quadratic action

(7-57)x(t)=x¯(t)1


( 解答 ) § 3-5 の議論にあるように, 指定された端点 a,b 間の古典軌道を x¯(t) とし, 変数 x を古典軌道 x¯(t) とそれからのズレ y(t) を用いて x(t)=x¯(t)+y(t) と表現する(下図 1. を参照).

fig 7-3

図 1.

このとき dxi=dyi かつ Dx(t)=Dy(t) であり, さらに端点は固定することが暗黙の了解になっているので y(tb)=y(ta)=0 である.すると, 遷移要素の定義式 (7-3) から

χ|x(t)|ψS=χ|x¯(t)+y(t)|ψS=dxbdxaabDx(t)χ(xb){x¯(t)+y(t)}eiS/ψ(xa)=dxbdxaabDx(t)χ(xb)x¯(t)eiS/ψ(xa)(1)+dxbdxa00Dy(t)χ(xb)y(t)eiS/ψ(xa)

このとき, § 3-5「ガウス積分」での議論により,「作用が 2 次式である場合には, y の1次の項の積分はゼロになるべき」である.よって, 上式の第 2 項はゼロであるから,
x(t)=χ|x(t)|ψS=dxbdxaxaxbDx(t)χ(xb)x¯(t)eiS/ψ(xa)(2)=χ|x¯(t)|ψS=x¯(t)

さらに, この古典的経路 x¯(t) は決まった経路で経路積分には依存しない量である.従って x¯(t) は積分の外へ出せる:
x(t)=χ|x¯(t)|ψS=dxbdxaxaxbDx(t)χ(xb)x¯(t)eiS/ψ(xa)=x¯(t)dx2dx1abDx(t)χ(x2)eiS/ψ(x1)(3)=x¯(t)χ|1|ψS=x¯(t)1

よって, ラグランジアン L が2次関数で作用 S が2次形式となる場合には, 式 (7-57) が成り立つと言える:
(4)x(t)=x¯(t)+y(t)=x¯(t)=x¯(t)1