
Problem 7-11
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( 解答 ) まず, 式 (7-81) の左辺を示しておく. の部分に, 下記の【参考】中の式 (8) を用いることで次となる:
ただし , とした.
次に, 式 (7-81) の右辺を示しておく.今度は, 基礎ケット の完備性及び基礎ケット の完備性を用いる:
ただし, 及び には下記の【参考】中の式 (14) を用いた.更に, やはり 及び として, 次の式 (7-80) を用いる:
すると式 (2) は,
以上の式 (1) 及び 式 (3) から, 示すべき式 (7-81) が成り立つと言える:
【 参考 】
解答の準備として, J.J.Sakurai の § 1.7 より -表示と -表示について復習しておく.
[1]. 位置基底での運動量演算子
位置基底での運動量演算子は, 無限小平行移動の生成演算子としての運動量の定義式から得られる.
ただし, -方向の だけの有限平行移動は となることを利用し, そして最後の段階では積分変数を から に変えた.
ここでケット またはブラ は が微少量なので次のように近似できる:
式 (7) を式 (5) に当てはめると次となる:
両辺の比較から,
両辺の位置ブラ との内積をとると, 直交性 が成り立つように規格化されているとすれば,
[2].
-表示から -表示への変換関数
は と の関数で, 普通 -表示から -表示への「
変換関数」と呼ばれる. の具体的な表式は, 式 (10) で を運動量の固有ケット にしたものを用いることで導くことが出来る:
に対するこの微分方程式の解は次となる:
ただし は規格化定数である.変換関数 は「固有値 の運動量固有状態に於いて, 位置 に粒子を見出す確率振幅」と見做すことが出来る.言い換えれば, これは丁度, 運動量固有状態 を表わす波動関数であり, しばしば ( -空間での ) 「
運動量固有関数」と言われる.従って, 式 (12) は「運動量固有状態の波動関数が平面波である」ことを示している.規格化定数 を求めるには, まず次式を考える:
左辺は に相当している.右辺は の具体的な形 (12) を使って計算出来る:
慣例に習い を正の実数に選ぶならば である.結局, として次が得られる:
ここで, 位置空間の波動関数が運動量空間の波動関数とどのように関連しているかを示すことが出来る.そのためになすべきことは, ただ と とを次のように書き換えればよい:
この式 (16) と式 (17)とは丁度, 互いに「
フーリエ変換」になっていることが分かる.