問題 6-16 の解答例

Feynman&Hibbs 裏表紙

Problem 6-16
Interpret Eq.(6.71) as a sum over alternatives; i.e., identify the alternatives.


(解答例) 時刻 t3 に於ける状態 n と状態 m 間のポテンシャル V の行列要素の式(6-71)は, 全時空 τ=(x,t) のうちの主にポテンシャル場 V(x,t) が存在する領域に於いて, 量 ϕm(x3)V(x3,t3)ϕn(x3) の全てを位置 x3 で積分したものである:

(6-71)Vmn(t3)=dx3ϕm(x3)V(x3,t3)ϕn(x3)

これは「粒子が時刻 t3 においてポテンシャル場 V(x,t) が存在する領域中の位置 x3 で散乱されるときの量 ϕm(x3)V(x3,t3)ϕn(x3) を全て足し合わせること」と解釈される.従って, 各々の選択肢(alternative) は, 下図の図 (B) に示されている経路たちのように,「ポテンシャル領域に於いて散乱される位置 x3 が異なった運動に対応する」ことを意味する.

fig6-20

図 (A) : 粒子が散乱を受けないゼロ次の核 K0.この場合, λmn=δmneiEn(t2t1)/ である.
図 (B) : 一回散乱される1次の核 K1. この場合, λmn 中の行列要素 Vmn(t3) は, 図のように時刻 t3 におけるポテンシャル領域の全ての位置 x3 での散乱経路を足し合わせたもの即ち積分したものとなる.