
Problem 8-3
Show that , are normanl coordinates, representing, however, standing waves and , respectively, i.e.,
for odd.
( 注意 ) この式 (8-82) の表現は, 原書や校訂版から自己流に修正してあるので注意するべし.
( 解答 ) まず 及び が基準座標であることを示しておく.系のラグランジアンは, 基準座標 を用いて式 (8-78′) のように表わすことが出来た:
このとき は, 式 (8-79) より と を用いて表せた:
これを式 (1) に代入すると, 運動エネルギーは式 (8-81) となり, 位置エネルギーも同様に表わせて,
この形のラグランジアンは, 式 (8-57) と同様に「相互作用しない独立な調和振動子の集まりを表わしている」.よって と は一緒になって 個の基準座標になっていると言える.
変位 を求めるには, 基準座標 を表わす式 (8-77) の両辺に を掛け合わせてから, について から まで足し合わせばよい:
その際に, の累乗根の直交性から言える次の関係を利用する (この証明は前のブログ記事を参照するべし):
すると式 (4) は次のように展開される:
従って,
よって, この場合の式 (8-52) に相当するのは, を で置き換えた式となるので注意が必要である:
また, 式 (8-42) に類似して, 変位 は次のように表わすことが出来る:
この は, 明らかに「
進行波」である.
さらに が奇数の場合を考慮して, 式 (7) の の範囲は から までに修正しておく:
上式の に式 (8-77) の右辺を用いる.さらに式 (8-79) から次が言える:
これらの式を利用して が負の部分を正のもので表わすことにすると,
ここで を利用すると,
さらに であるから, 最終的に次の結果となる:
因みに, この問題文の式 (8.82) は, 区間 で定義された関数 の「有限なフーリエ級数による近似式」に相当していると思われる:
このときの と が「定在波」であることを, やはり テル・ハール を参考にして示しておく:
式 (8.42′) で, ある一つの だけがゼロでないとする.それを とすると, そのときの が である.これを式中で表現するには と置けばよいから,
式 (8-73) から である.また, に注意する.すると上式(15)から, と は次のように書ける:
式 (8-80) を用いて, このときの と を書いてみると,
このとき,
と の形は, 時間 依存性と位置 依存性とが分離されており, これらの表わす波動が「定常波」であることは明らかである.
因みに, 式 (8-77) の と式 (7) の とは,「ディジタル信号処理」(DSP) の「離散フーリエ変換」(DFT) の式と全く同じ形をしている:
従って, 基準座標への変換はフーリエ変換と見做すことも出来るかも知れない.
参考のために, L.R.Rabiner:「音声のディジタル信号処理」の § 2.2.3 (p.18 ) から,「離散フーリエ変換」に関係する部分を以下に抜粋しておく.
無限長の信号数列 が, 長さ の周期数列 を用いて, 次式で定義されるとする:
このとき のフーリエ級数表示は周期数列 のフーリエ係数となる.そこで, 有限長 の数列 は, 次のような「離散フーリエ変換」(discrete Fourier transform, DFT)として厳密に表現される: