QEDの第12講の準備として, 「一様に動いている点電荷」が生成する 電場
が成り立つことを, オッペンハイマー:「電気力学」の§11の文章を抜粋して示しておく [1][ブログ註] この文章とほぼ同じものが, 砂川重信:「理論電磁気学」の第9章§3に例題として書かれているので, 参照することをお勧めする. .
11. 一様に動いている点電荷の場
電荷
電荷が時刻
また, 速度の
これらの式を使って「Liénard-Wiechert のポテンシャル」を各瞬間の量で計算することが出来る.
式 (11.1) から,
であり, 従ってこの2次方程式の解として次が得られる:
この2個の解の中で遅延の時間を与えるものとしては, 負号の方をとらなければならない [2][ブログ註] この解の式を近似し, 分母の
この式から, 次式が得れる:
ところが, 上式から
よって, 次式が言える:
すると Liénard-Wiechert のスカラーポテンシャル
点
以上の式を用いると, 場の量は単に微分をすることによって得られる.すなわち3個のベクトル
このとき, 図 1. から,
従って, 上式 (*) は次のように表せる:
次に磁場
従って, 磁場
これらの式から,「輻射は遅延の位置から放出されるのであるが, 干渉のために, ある時刻の電気力線はその同時時刻に於ける電荷の位置から引かれた直線
であり, 極方向では
である.従って, 電荷の速度が光の速度
〜〜以下は略す.〜〜