問題 7-10 の解答例

$$
Problem 7-10
For any quadratic functional, if we write

show that

Find the transition element of the product of four x’s.
[ Suggestion ] :
Since $S_{cl}^{\prime }-S_{cl}$ is quadratic in $f$ and zero for $f=0$, it must have the mathematical form

where $g$ and $\overline{x}(t)$ are some functions.

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( 注意 ) 原書及び校訂版では, このヒントの式 (3) の第1項目の積分中に因子 $i/\hslash$ が入っていない：

しかし, 前述の問題 7-9 までの事柄すなわち式 (1) を元に計算を行うならば, 因子 $i/\hslash$ が必要であると思われた． 従って自己流であるが, ヒントの式 (3) には因子 $i/\hslash$ を挿入してあるので注意するべし!． 式 (1) の $g$ との一致を求めないのであれば, 因子 $i/\hslash$ は入れなくても良いであろう．

(　解答　)　 以下では, 前に書いたブログ記事「§ 7-4について」中の式を利用して議論して行く． 式 (7-70) を得るために求めた式 (7-b) と式 (7-c) を用いて, ブログ記事の式 (8) を更に $f(u)$ で汎関数微分してみる：

まず, この左辺について考える． その展開には式 (7-b) を利用する． ${\displaystyle F[f(t){]}_L=\frac{i}{\hslash }\int f(t)x(t)dt}$ とすると,

次に右辺を考える． その展開には式 (7-c) を利用する． その際に ${\displaystyle \frac{{\delta }^2{S}_{cl}^{\prime }}{\delta f(s)\delta f(t)}}$ には $f$ が含まれていないことに注意する．${\displaystyle F[f(t){]}_R=\frac{i}{\hslash }(S_{cl}^{‘}-S_{cl})}$ とすると,

ここで, ヒントの式 $S_{cl}^{\prime }-S_{cl}$ を用いる：

これを $f(i)$ で汎関数微分するならば,

ただし, 関数 $g(t,s)$ は $t,s$ について対称的であるとした． さらに, この式 (8) を $f(j)$ で汎関数微分するならば,

以上の結果式 (8), 式 (9) 中の変数 $i,j$ 各々を $t,s,u$ とした場合の式について， $f=0$ の場合を考えると, 次が得られる：

この結果は, 前述ブログ記事中の式 (2) 及び式 (11) に一致する結果である． それは, 式 (7-70) と式 (7-71) から, この問題で仮定した事柄が満たされていることを意味することに注意する：

以上を元に, 式 (5) と式 (6) を $f=0$ で評価しよう． そのとき指数関数は全て $1$ となること, そして上式 (10) を用いると,

そして,

式 (11) と式 (12) とを等しいとし， $i/\hslash$ で割り算すると,

よって, これの遷移要素の式は題意の式 (2) となる：

$$\begin{array}{rl}⟨x(t)x(s)x(u)⟩& =⟨\overline{x}(t)\overline{x}(s)\overline{x}(u)+g(s,t)\overline{x}(u)+g(u,t)\overline{x}(s)+g(u,s)\overline{x}(t)⟩\\ \text{(14)}& & =[\overline{x}(t)\overline{x}(s)\overline{x}(u)+\overline{x}(t)g(u,s)+\overline{x}(s)g(t,u)+\overline{x}(u)g(u,s)]⟨1⟩\end{array}$$

次に4つの $x$ の積の遷移要素を求める．手順は上記の３つの $x$ の積の遷移要素の場合と同様に行えば良い．まず式 (5) と式 (6) より, ３つの $x$ の積の場合のブログ記事の式(9)に相当する式は次となる：

この両辺の $f(\tau )$ による汎関数微分を上記と同じ要領で行う． その後 $f=0$ の場合を考えて式 (10) の各式を代入する． 最終的な結果は次となる：

$$\begin{array}{rl}& ⟨x(t)x(s)x(u)x(\tau )⟩\\ & =[\overline{x}(t)\overline{x}(s)\overline{x}(u)\overline{x}(\tau )+\overline{x}(t)\overline{x}(s)g(\tau ,u)+\overline{x}(s)\overline{x}(u)g(\tau ,t)+\overline{x}(u)\overline{x}(t)g(\tau ,s)\\ & +\overline{x}(u)\overline{x}(\tau )g(s,t)+\overline{x}(s)\overline{x}(\tau )g(u,t)+\overline{x}(t)\overline{x}(\tau )g(u,s)\\ \text{(16)}& & +g(s,t)g(\tau ,u)+g(u,t)g(\tau ,s)+g(u,s)g(\tau ,t)]⟨1⟩\end{array}$$